厚生労働省の専門部会は4日、「抗体カクテル療法」と呼ばれる中外製薬の新型コロナウイルス治療薬「ロナプリーブ」について、発症予防目的での使用を了承した。従来の軽症・中等症患者から対象を一部拡大する。同省は、早ければ5日にも、緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」に基づき正式に薬事承認し、無症状者や濃厚接触者にも投与できる国内初の予防薬となる見通し。
 厚労省によると、新たな対象は感染者の同居家族などで重症化リスクがあり、未接種者か免疫力の低下でワクチンの効果が出ない人に限られる。同省は「ワクチン接種の効果が不十分と考えられる人に発症抑制の選択肢を提供できる」としているが、対象は限定的とみられる。
 専門部会はロナプリーブの皮下注射についても了承した。腹部や上腕部など4カ所に打つ必要がある。点滴に加え注射器での投与が可能になることで利便性が高まることが期待される一方、治療目的の場合は引き続き点滴での投与を求めた。
 同社によると、濃厚接触者を対象としたロナプリーブの海外での臨床試験(治験)では、発症リスクを81%低減させる効果が確認されたという。 (C)時事通信社