【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスに打ち勝つ切り札として、職員にワクチン接種を義務付けた米ニューヨーク市で、義務化初日に消防職員2300人が「病欠」を申請した。抗議の意思表示とみられる。伸び悩んでいた接種率は向上したものの、市民生活への悪影響が懸念される。
 デブラシオ市長は10月20日、警察や消防を含む市の全職員に少なくとも1回の接種を命じると発表。発効日の11月1日時点で、従わなかった約9000人が無給休暇扱いとなり、職場を離れた。
 消防局ではこれとは別に、市長の発表後、病気を理由に欠勤する職員が急増。通常1000人以下だが、1日に2300人、3日も2200人が有給の病欠を申し出た。ニグロ消防局長は1日、病欠は「義務化への抗議に関連していることは明らかだ。受け入れられない」と非難した。
 消防主要労働組合は地元テレビのインタビューで「組合員の70%は既に感染経験があり、(義務化は)必要ないと考えている」と主張。人員不足で現場への急行に遅れが生じるなどと警鐘を鳴らした。2日の記者会見では、ワクチン義務化ではなく、定期的なコロナ検査を選択できるようにするべきだと訴えた。
 ごみ収集に当たる衛生局でも、無給休暇扱いとなった職員分の欠員が発生。路上にごみ袋が放置されたままの状態が続き、市によると、本来休みの日曜日も出勤するなどして対応した。
 一方、伸び悩んでいた接種率は短期間で上昇。義務化発表時と比べ1日時点で、警察が70%から85%、消防が58%から77%、救急が61%から88%、衛生局が62%から83%に上がった。
 デブラシオ市長は3日の記者会見で、行政サービスに支障は出ていないと強調。「(コロナ禍からの)回復のカギはワクチンだ」と力を込めた。 (C)時事通信社