半導体をはじめとする部品不足が自動車大手の業績の先行きに影を落としている。新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ販売の復調に水を差しており、トヨタ自動車は4日、2021年度世界販売台数見通しの下方修正を発表。部品の円滑な調達はいまだ見通せず、さらなる減産を強いられれば収益回復シナリオの修正は避けられない。
 トヨタは9月に下方修正した21年度世界生産台数見通しに続き、4日の決算発表で世界販売台数を26万台引き下げ、1029万台になるとの見通しを発表した。東南アジアでのコロナ拡大で部品調達が滞り、9、10月だけで70万台を超える減産を余儀なくされた。今月以降は回復基調に向かうとみるが、オンラインで記者会見した近健太取締役は「まだまだリスクはある」と警戒感を隠さない。
 トヨタは得意の原価改善で利益の上積みを目指す考えだが、素材価格は世界的に上昇しており、日本製鉄との鋼材価格交渉では値上げを強いられた。岸田政権が掲げる下請け取引への監督強化もあり、もくろみ通り進められるかは不透明だ。
 三菱自動車も4日、半導体不足に伴う21年度の減産見通しについて、減産幅をこれまでの4万台から9万5000台程度にまで拡大したと明らかにした。回復の遅れは鮮明で、他の自動車大手も厳しい状況に直面している。
 大手各社は当初、半導体不足による減産は今年度後半には解消するとの見込みを示していた。ただ、東南アジアでのコロナ禍は想定以上に深刻で、生産制約は厳しさを増している。「減産規模のさらなる拡大は避けられない」(大手幹部)などの声は多い。自動車メーカーが部品調達を正常化し、生産を回復軌道に乗せるめどは立っていないのが現状だ。 (C)時事通信社