新型コロナウイルス感染症の後遺症について、実態解明が進んでいる。症状は倦怠(けんたい)感や味覚障害、脱毛など多岐にわたり、中には1年以上続く例もある。今夏の「第5波」による患者増も懸念される。専門医は、後遺症の疑いがあれば早期に医療機関で受診するよう呼び掛けている。
 新型コロナ後遺症は、感染者の1割で症状が出るとの報告もあるが、発生メカニズムも含め不明点が多い。国内の複数の調査結果をまとめると、症状は倦怠感や息苦しさが多いが、味覚・嗅覚障害や集中力の低下も出やすい。関節の痛みや脱毛、睡眠障害、発熱、めまいを訴える人もいる。
 国立国際医療研究センターの調査によると、女性の方が男性と比べ、倦怠感は2倍、脱毛は3倍出やすいほか、若者や痩せ形の人の方が味覚・嗅覚障害が出やすかった。4人に1人は発症から半年後も、10人に1人は1年後も症状が残った。
 東京都世田谷区が無症状感染者も含む約3700人から回答を得た調査では、約半数が後遺症を訴えた。10~30代では嗅覚障害の割合が、40代以上では倦怠感の割合が高かった。厚生労働省研究班の調査では、診断から半年後も21%が倦怠感を、11%が集中力低下を訴えていた。
 後遺症疑いの患者を3000人以上診察したヒラハタクリニック(東京都渋谷区)の平畑光一院長は「国内の感染者は170万人超で、1割が後遺症になるとすると、全国で17万人以上に後遺症が出ている恐れがある。決して珍しい病気ではない」と強調する。
 受診者の95%ほどが倦怠感を訴え、「鉛を背負ったような体の重さ」に苦しむ人も少なくない。思うように働けなくなる人も多く、10個以上の症状を訴える人もいた。
 平畑院長は「ワクチン接種や感染対策を徹底し、まずは感染しないことが最も重要」と指摘。「倦怠感などを感じたら、後遺症外来やかかりつけ医に早急に相談し、医師と二人三脚で適切な治療を続けてほしい」と訴える。 (C)時事通信社