【ワシントン時事】バイデン米大統領の「信任投票」となる中間選挙まで1年。与党民主党が議会上下両院で持つわずかな優位を維持できるかが焦点だ。社会が新型コロナウイルス禍からの回復途上にある中、国民の関心はインフレや雇用など経済問題に集中。バイデン氏が民主党内の路線対立を越えて政策を実現し続け、弱った求心力を回復できるかが試される。
 「結果を出せることを証明した」。夏以降の支持率下落に悩むバイデン氏は、6日の記者会見で久しぶりに顔をほころばせた。「一世代に一度」と胸を張る1兆ドル(約113兆円)のインフラ投資法案の成立が確実となったためだ。
 だが、遅きに失したことは否めない。2日のバージニア州知事選では、民主党地盤にもかかわらず12年ぶりに共和党候補が勝利。民主現職が優勢とみられたニュージャージー州の知事選でも予想外の大接戦を許し、「中間選挙への警鐘」(CNNテレビ)と伝えられていた。
 苦戦の背景には、民主党内左派と中道派の「内輪もめ」による政策実現の遅れが指摘された。環境や子育て施策を盛り込み、政権のスローガン「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」の名を冠した1兆7500億ドル(約200兆円)の大型歳出法案は、依然議会を通っていない。
 ロイター通信の最新世論調査では、直面する最大の課題に「経済・失業・雇用」を挙げた回答が27%で最も多く、「医療制度」が11%、「環境・気候変動」「保健」がそれぞれ10%で続いた。経済重視の傾向は民主党支持層よりも共和党支持層や無党派層で高く、幅広い国民の声に応えられるかが中間選挙のポイントとなる。
 一方、多数派奪還を目指す共和党は民主党の「大きな政府」路線を「社会主義的」と攻撃。物価の高止まりや、移民政策、治安悪化などを争点化していく構えだ。NBCテレビの調査では「どちらの党がより良い仕事をしそうか」との問いに対し、「経済」「国境警備」「犯罪対策」、さらには「物事を成し遂げる」の項目全てで共和党が上回った。
 中間選挙には、10年に1度の国勢調査に基づく区割り変更も影響しそうだ。下院は人口比例で配分された選挙区ごとに1人を選ぶ小選挙区制で行われる。昨年の調査によると、人口が増えたテキサスなど6州で議席割り当てが増えた一方、カリフォルニアなど7州では減少。これは「共和党に有利」と分析されている。 (C)時事通信社