政府は8日、新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)を開いた。緊急事態宣言発令などの目安である新型コロナ感染状況の指標について、新規感染者数を重視したこれまでの「ステージ」分類を改め、新たに医療提供体制に着目した「レベル」分類で示すことで合意した。
 会合後、尾身会長は記者団に対し、新指標について「感染状況を医療が逼迫(ひっぱく)しない水準に抑え、社会経済、日常生活を取り戻すことが目的だ」と説明。「新規感染者数は注視するが、医療逼迫の状況をより重視する」と強調した。
 山際大志郎経済再生担当相は席上、「コロナ感染は新たな段階に入りつつある。予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化し、最悪の事態を想定して次の感染拡大に備えていきたい」と語った。
 政府はこれまで、1週間の人口10万人当たりの新規感染者数を中心に、空き病床の状況なども考慮して感染状況を「ステージ1~4」に分類。最も深刻なステージ4を緊急事態宣言の目安としていた。
 8日の分科会で専門家側は、医療提供体制の逼迫状況に応じ「レベル0~4」で示す新たな指標を提案。例えば、深刻度合いが上から2番目の「レベル3」については、重症者向け病床使用率50%以上の状況と位置付け、具体的には緊急事態宣言も必要とする。新規感染者数に関しては判断の参考値とする。
 指標を改めるのは、国民の7割超でワクチンの2回接種が済み、重症化リスクが一定程度低減したとみられることが背景にある。社会経済活動の促進に向け、指標も医療提供体制の状況を着目する方向に転換する。 (C)時事通信社