【ニューヨーク時事】新型コロナウイルス危機の打撃から急回復する米航空業界が、人手不足に頭を抱えている。10月は天候悪化による運航計画の変更に対応し切れず、欠航が続出。米国で旅客需要が膨らむ年末の書き入れ時を前に「空の旅」への不安が高まっている。
 サウスウエスト航空では、10月9~11日の3連休中に計2000便超が欠航するトラブルが起きた。南部フロリダ州での悪天候による欠航を受け、機材やパイロットのやり繰りができず混乱が同社全体に波及。大量の運航キャンセルに発展した。
 ケリー最高経営責任者(CEO)は「人手不足に手を打たないまま(旅客が増える)週末に入った」と謝罪。綱渡りの計画だったと示唆した。10月末にはアメリカン航空でも同様の事態が起き、1日最大約1000便が欠航に追い込まれた。
 各社は昨年、コロナ拡大で旅行需要の激減に見舞われた。従業員の一時帰休や早期退職で数万人の人員削減に踏み切ったが、ワクチンが普及した今春以降、国内のレジャー目的を中心に需要が急回復。米空港の1日当たりの保安検査場通過人数は10月に入り、コロナ前の7~8割まで戻った。
 人員確保が追い付かない状況で、疲労がたまったアメリカンのパイロットらは悲鳴を上げている。デルタ航空やユナイテッド航空は、増便を抑えることで対応しているという。
 サウスウエストは年末までに5000人の確保を目指すなど、各社とも従業員の職場復帰促進や新規雇用に躍起となっている。だが米国では人手不足が深刻化しており、安定運航ができるかは不透明だ。 (C)時事通信社