自民、公明両党は8日、衆院選でそれぞれ訴えた現金給付を含む経済的支援の実現に向け、調整に着手した。対象範囲や金額が焦点で、公明党は来年夏の参院選を見据え、18歳以下に一律10万円相当を支給する「未来応援給付」を要求。岸田政権発足後初の本格的な政策協議で、今後の政権運営にも影響を与える可能性がある。
 自民党の茂木敏充、公明党の石井啓一両幹事長は国会内で約25分間会談。双方の案をそれぞれ説明し、早急に結論を得ることを確認した。公明側によると、所得制限や使途が限定されるクーポンを組み合わせた支給に関しても意見交換した。9日午後に再度議論する。
 自民党は衆院選で非正規労働者や子育て世帯、学生など困窮者への経済的支援を公約。ただ、「ばらまき批判」を懸念して、具体的な金額、支援規模などは明示していない。一方、公明党は未来応援給付に加え、マイナンバーカード所有者向けの「マイナポイント3万円分付与」も打ち出していた。
 会談後、茂木氏は未来応援給付に関し「基本的な考え方は尊重したい」としつつ、「どこまで必要かは議論が必要だ」と記者団に指摘。石井氏は、困窮者支援と未来応援給付のいずれも実施することで一致したとの認識を示した。また、マイナポイントに関しては自民党も前向きだとして、金額について引き続き協議する意向を示した。
 給付をめぐり、自民党の高市早苗政調会長は記者団から「(自公の)隔たりは大きいか」と問われ、「そうだ」と明言。「本当に困った方に経済的支援をするという政権公約をつくった。そうでない方に支援するということは書いていない」と主張した。
 自民党の閣僚経験者は「一律は絶対駄目だ。選挙のたびにばらまくのは国民をばかにしている」と強調。党関係者も「実現しない公約もある。何らかの制限は必要だ」と述べており、所得制限を求める声が強い。
 これに対し、公明党の竹内譲政調会長は8日、首相官邸で松野博一官房長官と面会し、公明案の実現を申し入れた。この後、記者団に「子供に格差はない」として改めて一律支給を訴えつつ、「国民に約束したことなので崩れれば背信行為となる」と自民側をけん制した。ただ、年収1200万円程度の所得制限なら容認する声も出ている。 (C)時事通信社