骨折のない首の脊髄損傷「非骨傷性頸髄(けいずい)損傷」による手足のまひについて、群馬大や東京大などの研究グループは、患者が病院に搬送されてから24時間以内の早期手術で回復が早まるとの研究結果をまとめた。論文は10日、米医師会の専門誌に掲載された。
 現在は早期手術に対応できる病院は限られ、研究グループの筑田博隆群馬大大学院教授は「患者が速やかに対応可能な病院に移送され、治療を受けられるネットワークづくりが重要だ」と指摘している。
 非骨傷性頸髄損傷は、転倒や脊髄の通る「脊柱管」が狭くなる病気などで発生し、脊髄が圧迫されるため手足にまひが生じる。日本ではリハビリや様子を見てからの手術が中心といい、高齢化の進展に伴い、各国で患者は増加傾向にある。
 研究グループは、非骨傷性頸髄損傷のうち、寝た状態で膝を立てることができない「重症不全まひ」の患者70人を対象に研究を実施。搬送から24時間以内に脊髄の圧迫を取り除く手術をした場合と、2週間以上たってから「待機手術」をした場合とで手足の筋肉の回復状況を比較した。
 その結果、筋力を0~100点で評価する運動スコアの改善幅は、損傷発生から2週間後の時点で、早期手術が34.2ポイント、待機手術は18.9ポイントとなった。6カ月後では、早期手術が51.5ポイント、待機手術は41.3ポイントだった。
 筑田教授は「動けない時間が長くなると、体力を奪われるなど失うものが大きい。就労にも影響してくる」と早期回復のメリットを強調した。 (C)時事通信社