がん免疫治療薬オプジーボの特許使用料をめぐり、ノーベル医学生理学賞受賞者の本庶佑・京都大特別教授が、製造販売元の小野薬品工業(大阪市)に約262億円の支払いを求めた訴訟は12日、大阪地裁(谷有恒裁判長)で和解が成立した。同社は京大の基金に230億円を寄付するほか、本庶氏に対し解決金として50億円を支払う。
 本庶氏はオプジーボ開発につながる研究で2018年にノーベル賞を受賞した。
 本庶氏は昨年6月、同社がオプジーボをめぐる米企業との特許侵害訴訟の和解で受け取った金の大部分が、同氏に支払われないのは債務不履行だとして大阪地裁に訴訟を起こした。同社は、支払いの合意はしていないと反論した。
 地裁は和解を勧告し、今年9月から協議が続いていた。その結果、同社が本庶氏とのライセンス契約に関わる全面的な解決金を年内に支払うとともに、京大に新設する若手研究者支援のための基金に230億円を寄付することで和解した。
 本庶氏は和解を受け、「企業から還流される資金や善意の寄付により、基礎研究を長期的展望で支援したい。若い研究者がチャレンジできる環境を用意していくことが国の成長に不可欠だ」とのコメントを発表した。
 和解後、大阪市内で記者会見した小野薬品工業の相良暁社長は「全面解決できたことを心から喜んでいる。これまでのことは水に流す気持ちだ」と話した。 (C)時事通信社