【ベルリン時事】新型コロナウイルスの感染が急激に広がる欧州で、ワクチン接種を医療従事者などに義務付ける動きが広がっている。英仏独など欧州主要国は当初は接種で先行したが、接種率が7割ほどに達した後は停滞。最後の一押しに、各国が四苦八苦している状況だ。強硬な反ワクチン派も根強く、義務化による社会の分断も懸念されている。
 英イングランドでは11日から、ワクチン接種を終えていない介護施設職員は勤務ができなくなった。未完了者は約5万人に上るという。4月からは医療従事者にも同様の措置を取る。職種を限定した義務化はフランス、イタリア、ギリシャ、ラトビアなどが既に導入した。
 ドイツは現時点では消極的だ。シュパーン保健相はシュピーゲル誌で「(全国民への義務化は)国を引き裂く」と分断への懸念を表明し、医療従事者らへの義務付けも、大量離職につながると慎重姿勢を示した。
 ただ、11日に1日の感染者が最多の5万人を超えるなど感染が爆発的に増加。調査会社ユーガブの最近の世論調査では、「全国民」に接種を義務化すべきだとの回答が44%、「医療従事者らのみ」が24%だった。合わせると7割近くになり、国民の間では義務化導入を求める声が強まってきた。
 義務化が求められているのは、どの国も接種完了者が7割程度になってから停滞する傾向があるからだ。子どもなど対象外の人を除くと、副反応への不安を持つ人や、自由意思を重視し接種に反対する層が未接種とみられる。
 ドイツでは、既成概念にとらわれない「水平思考者」を名乗るグループが、反ワクチンデモを各地で開催。強制的な措置なしには、これ以上の接種率引き上げは困難な状況だ。 (C)時事通信社