【ベルリン時事】ドイツの新型コロナウイルス感染拡大が止まらない状況となっている。18日に報告された新規感染者は6万5000人を超え、過去最多を記録した。集中治療室(ICU)の病床は9割が埋まった。政権移行期であることから対策のスピード感に不安もあり、冬に向けて懸念が増大している。
 死者は17日に294人となり、5月初め以来の水準となった。医療専門誌エルツテブラットによると、ケルン大学病院の医師は17日、心臓発作の患者が1時間も救急車でたらい回しにされるような「軽いトリアージ(治療対象の順位付け)」が始まっていると述べ、医療状況の悪化を警告した。
 病床逼迫(ひっぱく)は特に東部や南部で深刻だ。東部ザクセン州では病床使用率が事前に定めた基準に達し、19日からワクチン非接種者対象の接触制限が導入される。
 ドイツのワクチン接種完了率は67%で、60%に達した8月末ごろから停滞している。公共放送ドイチュラントフンクによると、集中治療を受けている人のうち、74%がワクチン非接種者だ。ただ、この数字は9月には90%で、ワクチン接種済みの人の重症化も増えている。
 連邦と16州(州と同格の2特別市を含む)は18日に合同の協議を開催し、ワクチン追加接種や、一部職種での接種義務化などを議論。ただ、9月に総選挙があったドイツでは現在、社会民主党(SPD)を中心に3党が連立政権樹立に向け交渉中で、正式な任期が切れたメルケル首相は厳密には首相代行の立場だ。政治空白や政党間の駆け引きが、対策の遅れにつながらないか、警戒する声も漏れている。 (C)時事通信社