政府は子どもに関する諸施策の司令塔となる「こども庁」について、2023年度に創設する方向で調整に入った。複数の関係者が明らかにした。年齢により切れ目が生じない支援や省庁間の縦割りの打破を理念に、年内に基本方針を策定する。どう権限を付与し、実効性のある施策につなげるかが焦点だ。
 こども庁は菅義偉前首相の肝煎りで政府が検討を開始。岸田文雄首相も内政の目玉の一つとしており、20日、記者団に「こども庁の重要性について議論を重ねてきた。スタートに向け努力したい」と語った。来年の通常国会に設置法案を提出し、成立を目指す方針。関係省庁の調整を経て23年度に発足させる段取りを描く。
 こども庁の在り方を検討する政府の有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)は19日に報告書の骨子案を公表。(1)子どもと子育て当事者の視点に立った政策立案(2)「待ちの支援」から、要請を待たずに実施する「プッシュ型支援」への転換(3)「縦割りの壁」「年齢の壁」を克服した支援―を基本理念として制度設計が進むことになった。
 骨子案は具体的な施策として、産前産後から子育て期を通じた切れ目のない支援、子どもの貧困対策、家族の介護や世話を担う子ども「ヤングケアラー」対策などを列挙した。政府は月内にまとめられる報告書を基に基本方針を策定する。
 こども庁には、子ども政策を担う厚生労働省や内閣府などの関係部署が統合される見通し。野田聖子こども政策担当相は16日の記者会見で「強い司令塔機能を持つ新たな行政組織をつくりたい」と強調した。
 一方で、厚労省所管の保育園と文部科学省所管の幼稚園の一元化は見送り論が強い。行政の縦割り打破が狙い通り進むか、不透明な要素もある。 (C)時事通信社