新型コロナウイルス禍で「3密」を避け、周囲を気にせず楽しめる貸し切り型のプライベートサウナが人気を集めている。自分流の「ととのい」ができるとあって、完全個室サウナは予約が殺到し、湖が水風呂という大自然満喫のテントサウナも好評だ。社会の多様性を反映し、性自認などから公衆浴場に足を運びづらかった人からの反響も大きい。
 11月中旬、澄んだ青い湖面に紅葉を映し出す秋田県仙北市の田沢湖畔。テントでは、大学時代の友人同士という東京都在住の広瀬雄也さん(24)、群馬県在住の川島里菜さん(23)、秋田県の戸巻大輔さん(24)が水着姿でまきストーブを囲み、汗を流していた。室温は100~120度。体の芯まで温まると、一目散に目の前の湖へ。水温約15度の水に肩まで漬かって歓声を上げた。
 広瀬さんは「この空間を3人で貸し切れるのはすごい。他では満足できないかも」と病みつきの様子で、川島さんも「新鮮です」とご満悦だ。テントサウナを提供する「タザワコサウナ」の八嶋誠さん(32)は「人に気を使うことなく、自然と一体になれる」と魅力を語る。
 1組2時間制で、昨夏のオープン以来、利用率は8割を超える。当初は若者や愛好家が中心だったが、最近はファミリー層にも利用が広がる。11月いっぱいで営業を一時中断するが、天候に左右されず営業できるよう、来夏にもサウナ小屋にリニューアルする予定だ。
 東京都新宿区では昨年12月、完全個室のフィンランド式「ソロサウナtune」がオープンした。個室にシャワー室や休憩所、脱衣所が完備され、音楽を聞いたり、横になったりとその人に合った「ととのい」ができる。1~3人までの利用が可能で、中でも1人用は常に予約でいっぱいだ。
 店の責任者、遠藤香さんは「1人が好きだったり、体へのコンプレックスなどで公衆浴場が苦手だったり、ジェンダーの関係で男湯や女湯に入れなかったりする利用客の反響が大きく、驚いている」と明かす。「人の数だけサウナの入り方がある」と力説し、「日常の中にサウナを提案できたら」と語った。 (C)時事通信社