【ルクソール(エジプト)時事】エジプト南部ルクソールで、古代文明期の祝祭で国家神が通るとされた「スフィンクス参道」が長年の修復工事を終え、往時の栄華を取り戻した。25日には当時の様子を再現するパレードが参道やナイル川などを舞台に大々的に行われる。エジプト政府は悠久の歴史や遺跡を武器に、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた観光業の振興を目指す狙いだ。
 参道は、かつてテーベと呼ばれた都が置かれたルクソールにある観光名所カルナック神殿とルクソール神殿を結ぶ全長約2.7キロ。両脇には、アメン・ラー神の守護とされる雄羊などの頭部を持つ像が多数並ぶ。
 参道は新王国時代以降に造られ、豊かな土壌をもたらしたナイル川の氾濫に合わせた祭事で使用。しかし、風化や住宅開発などで廃虚と化していた。
 歴代の王の墓所がある「王家の谷」や、数々の神殿が集まるルクソールはエジプト観光の目玉の一つだが、コロナ禍で外国人観光客が急減した。政府は神殿内の壁画も併せて修復を急ぐなど、ルクソールを「世界最大の野外博物館」として整備。ルクソールでガイドを務めるラガブさんは「世界が感動するパレードで観光客が増えるか楽しみだ」と期待を寄せる。
 エジプトでは今年4月、王などのミイラ22体を移送する壮大なパレードを敢行。来年はツタンカーメン王墓発見から100年、古代エジプトのヒエログリフ(象形文字)解読200年などの節目に加え、日本も支援する「大エジプト博物館」の開館も予定され、観光業復活に力を入れている。 (C)時事通信社