新型コロナウイルスの感染拡大が本格化して以降、政府は4度にわたって大型補正予算の編成を繰り返している。短期間で編成する補正予算は、当初予算と比べて厳格な査定が難しく、効果に疑問符が付く事業が紛れ込む「抜け道」になりやすい。コロナ前から補正予算による歳出の追加は常態化しており、財政規律の緩みに拍車を掛ける懸念がある。
 政府が26日に決定した2021年度補正予算案は、歳出総額が35兆9895億円に達した。景気が急激に悪化した時期にまとめた20年度第2次補正(31兆9114億円)をしのぎ、補正として過去最大。リーマン・ショック対応で編成した09年度第1次補正(13兆9256億円)と比べても2.5倍以上の規模となる。
 財政法は「特に緊要となった経費の支出」について補正予算の編成を認めている。今回の補正にも、コロナ禍で打撃を受けた事業者や生活困窮者の支援、医療提供体制の強化など急を要する事業が盛り込まれた。
 一方、運用益を大学の研究支援に充てるファンドや、経済安全保障を強化する重要技術の育成など、一朝一夕には効果が出ない施策も多い。成長力強化の観点では重要な事業だが、当初予算案に計上して費用対効果を厳しくチェックするのが本筋。当初予算規模の膨張を抑えて見栄えをよくするため、「補正予算を調整弁にしている」(第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミスト)との指摘は根強い。
 財源論を素通りして巨額の財政出動を続けた結果、政府が財政健全化の目安とする基礎的財政収支は、21年度に41兆3526億円の赤字となる。赤字幅はこれまでより20兆9909億円拡大し、25年度に国・地方で黒字化させる目標の達成は一段と困難になった。 (C)時事通信社