【ニューヨーク時事】26日の金融市場は、新型コロナウイルス感染拡大への不安に再び覆われ、世界同時株安の様相となった。南アフリカなどで見つかった新たな変異株(オミクロン株)は感染力が強く、ワクチンの有効性が弱まる可能性が指摘されている。ワクチン普及を基本とする「各国の対策の根底が崩れる可能性がある」(米アナリスト)との声も出ている。
 米国では、26日のダウ工業株30種平均が一時、前営業日終値比1000ドル超急落。終値でも今年最大の下げ幅(905.04ドル安)を記録した。欧州主要国の株価も4%前後下落した。投資資金は、債券や金など相対的に安全とされる資産へと向かった。
 新変異株は、ベルギーや香港などでも確認されており、「急速に広がっている」(米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長)と警戒感は強い。米ファイザーなどの製薬各社は、既存のワクチンの有効性確認を急いでいるが、データ収集に数週間かかる見通しだ。
 各国は、アフリカ南部への渡航を制限し、水際対策も強化した。市場では、ワクチンの効果をめぐる不確実性の高まりや、人やモノの動きが再び滞る事態へ懸念が強まっている。
 欧州での新型コロナ拡大も懸念材料だ。ドイツでは感染者数が急増。オーストリアは22日からロックダウン(都市封鎖)を再開した。英調査会社オックスフォード・エコノミクスは「新型コロナの状況悪化が、景気回復の足を引っ張る」と指摘し、欧州の経済成長率見通しを下方修正する方針だ。
 米国では、年末のホリデーシーズンが始まった。旅行需要が大きく回復。個人消費は、新型コロナ拡大前の水準に近づくとの予想も多い。ただ、新変異株が広がり、米経済の7割を占める個人消費が悪影響を受ければ、世界経済の回復をけん引する米景気も失速しかねない。 (C)時事通信社