【ワシントン時事】バイデン米大統領(79)が、就任10カ月では歴代ワースト2位となる支持率低迷にあえいでいる。米ギャラップの世論調査による支持率は1月の政権発足時の57%から、10月以降は42%に落ち込んだ。背景には新型コロナウイルス、物価上昇、看板政策を台無しにする与党民主党内の対立―の三重苦がある。
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 バイデン氏は23日、ホワイトハウスでエネルギー価格の高騰に対応するため、石油備蓄を放出すると発表。その際、物価高の要因の一つである品不足や出荷遅延などサプライチェーン(供給網)の問題に取り組んでいることを強くアピールした。影響が直撃している庶民の厳しい視線を意識したものだ。
 バイデン氏の支持率は8月にアフガニスタンからの駐留米軍撤収で混乱を招いたことを契機に急落した。アメリカン大学のジョー・キャンベル教授は、取材に対し「国民は(前年同月比)約6%の物価上昇に苦しみ、コロナ禍も続いている。米国一国では解決できないのに『大統領は効果的に対応していない』と思っている」と指摘する。
 実際、メリーランド州に複数の店舗があるスウェーデンの家具大手イケアは休暇前でにぎわうものの、多くの商品が品切れ。バージニア州の自動車ディーラーは、世界的な半導体不足から「新車は数カ月待ちで、品薄の中古車も20%以上の値上がり。これじゃ客足が遠のく」と嘆いていた。
 バイデン氏が福祉の拡充や気候変動対策を重視して手掛けた大型歳出法案「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」は、19日に下院を通過した。しかし、民主党内の対立の結果、その規模は当初から半減し、1兆7500億ドル(約198兆円)にとどまっている。
 ギャラップによると、就任から約10カ月が過ぎたバイデン氏の支持率は、同時期のトランプ前大統領(37%)に次ぐ歴代ワースト2位(1953年11月のアイゼンハワー大統領以降)を記録。民主党の苦戦が予想されている来年の中間選挙まで1年を切る中、バイデン氏の政権運営は厳しさを増している。 (C)時事通信社