米・University of California, San FranciscoのWilliam J. Deardorff氏らは、閉経後女性の骨粗鬆症患者に対するビスホスホネート(BP)製剤の効果発現までの期間(Time to Benefit;TTB)を検討するメタ解析を実施。同患者約2万4,000例を含む10件のランダム化比較試験(RCT)を対象とした解析の結果、100例当たり1件の非椎体骨折を予防するために必要なBP製剤のTTBは12.4カ月であることが分かったと、JAMA Intern Med2021年11月22日オンライン版)に発表した。

BP製剤は短期的な有害性と長期的な利点とのバランスが重要

 骨粗鬆症は高齢女性に多い。治療として、BP製剤開始の決定には消化器系の炎症や筋骨格の痛みなどの短期的な有害性と、骨折を減少させる長期的な利点とのバランスを取る必要がある。

 Deardorff氏らは今回、閉経後の女性骨粗鬆症患者における非椎体骨折およびその他の骨折の予防を目的としたBP製剤のTTBを評価するため、米国予防医学専門委員会(USPSTF、1件)、米国医療研究品質庁(AHRQ、1件)、コクランライブラリー(2件)、米国内分泌学会(ENDO、1件)が委託したシステマチックレビューから10件のRCT(閉経後の女性骨粗鬆症患者2万3,384人を含む)を抽出し、メタ解析を行った。

 RCTの選択基準は、①椎体骨折がある、または骨密度Tスコア-2.5以下という基準に基づき骨粗鬆症と診断された閉経後の女性が対象、②非椎体骨折を減少させる第一選択薬としてガイドラインで推奨されているアレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネートを用いた研究-とした。骨粗鬆症と診断された女性が対象でない、プラセボ群がない、骨折までの期間のデータが不足しているものは除外した。

 ランダム効果ワイブル生存曲線を当てはめ、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて、各RCTの絶対リスク減少率(ARR)とTTBを推定。これらの推定値は変量効果モデルを用いてプール解析を行った。

 主要評価項目は、最初の非椎体骨折発生における3つの異なるARR閾値(0.002、0.005、0.010)までの時間とした。副次評価項目は、股関節骨折、全ての骨折、椎体骨折の4つのARR閾値(0.001、0.002、0.005、0.010)までの時間とした。

 10件のRCTには、オリジナルのものと後に発表されたプール解析の一部が含まれた。各RCTの参加者数は994〜7,765例で、平均年齢±標準偏差は、63±7〜74±3歳、追跡期間は12〜48カ月であった。

BP製剤の有益性は、追跡期間が長くなるにつれほぼ直線的に増加

 解析の結果、BP製剤の有益性は追跡期間が長くなるにつれてほぼ直線的に増加することが示唆された。例えば、BP製剤が投与された骨粗鬆症患者100例当たりの非椎体骨折の予防数は、12カ月後の1.0(95%CI 0.4〜1.6)から18カ月後の1.5(95%CI 0.8〜2.3)へと増加した。

 閉経後の女性骨粗鬆症患者100例当たり非椎体骨折を1件防ぐには、ARRが0.010の場合、BP製剤投与は12.4カ月(95%CI 6.3~18.4カ月)が必要であった。また、患者200例当たり股関節骨折を1件防ぐには、ARRが0.005の場合20.3カ月(同11.0~29.7カ月)、患者200例当たり椎体骨折を1件防ぐには、ARRが0.005の場合12.1カ月(同6.4~17.8カ月)必要であった。

 以上から、閉経後の女性骨粗鬆症患者100例当たり1件の非椎体骨折を予防するために必要なBP製剤のTTBは12.4カ月であり、BP療法は平均余命が12.4カ月以上の閉経後の骨粗鬆症女性で最も有効であることが示唆された。

 今回の結果について、Deardorff氏らは「閉経後女性の平均余命は12.4カ月を大幅に上回るため、大半の骨粗鬆症の高齢女性にとってBP製剤が有益だと考えられる」と述べている。

(今手麻衣)