大腸の粘膜に潰瘍ができ、腹痛や下痢、血便を起こす難病「潰瘍性大腸炎」について、東京医科歯科大の竹中健人助教や渡辺守特別栄誉教授らは30日までに、内視鏡の画像から人工知能(AI)で症状を評価するコンピューター画像支援システムを試験的に開発したと発表した。専門医と同じレベルの精度で評価し、症状の経過を予測できると期待され、ソニー(東京都港区)との共同研究で臨床応用を目指している。
 潰瘍性大腸炎は原因がはっきりせず、薬による治療で改善しない場合は大腸の摘出手術が必要になったり、大腸がんを合併したりする場合がある。症状が消えて寛解と呼ばれる状態になっても、再発する例が多い。診断には、内視鏡を肛門から入れ、大腸粘膜の画像から評価するほか、粘膜を採取し、標本にして病理医が顕微鏡で調べる「生検」を行う。
 システムの開発に当たっては、患者約2000人分の内視鏡画像と粘膜生検のデータについて、専門医が寛解レベルを点数付けした後、コンピューターのAIに学習させた。患者875人を対象に検証したところ、診断精度は9割で、再発や入院、手術といった1年後までの経過予測も専門医と同等にできた。内視鏡の動画からリアルタイムに適切な静止画を切り出して評価でき、粘膜生検の回数を減らせる効果もあるという。 (C)時事通信社