新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の世界的な広がりが、外交日程に影響し始めている。11月下旬から12月上旬に予定されていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は急きょ延期。デルタ株が収束に向かい、対面外交再開の機運が高まっていただけに、外務省内では落胆が広がる。年内にも目指す岸田文雄首相の訪米にも影響する可能性がある。
 松野博一官房長官は1日の記者会見で、首相訪米について「現時点で何ら決まっていない」と述べるにとどめた。
 11月下旬にオミクロン株への懸念が高まり、各国が水際対策を一斉に強化。WTO閣僚会議が開催されるスイスも渡航制限を強め、会議は延期となった。これに伴い、出席を予定していた林芳正外相の就任後初の外遊も見送りとなった。
 今月10日からは先進7カ国(G7)外相会合が英リバプールで予定される。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国を招き、中国を含むインド太平洋地域情勢について意見交換する予定だが、政府関係者は「英国も悩み始めているようだ」と明かす。
 日本にとって最大の焦点は首相訪米だ。首相は11月に訪問した英国でバイデン米大統領と「年内にも訪米」で一致した。ただ、日米外交筋は「各国は対策を前広に打つのが当たり前になってきている」と指摘。米国の対応次第で訪問が困難になるとの見方を示した。 (C)時事通信社