政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーの小林慶一郎慶応大教授は時事通信のインタビューに応じ、海外でのオミクロン株感染拡大を踏まえ、日本人帰国者の隔離措置を厳格化する必要があるとの考えを示した。ワクチン追加接種までの間隔を短縮すべきだとも指摘した。インタビューは1日に行った。
 ―オミクロン株を受けた対策は。
 最大限の水際対策で国内侵入を防ぐことが政府の任務だ。世界に幅広く拡大している前提で、全ての帰国者に対し、10日間の施設待機を実施すべきだ。今は14日間の自宅待機が多く、オミクロン株の拡大を早めてしまう恐れがある。1日当たりの入国者上限も3500人からさらに減らしてもいい。オミクロン株の脅威の度合いが分かるまで2、3週間は強い措置を我慢してもらいたい。
 ―水際から漏れる可能性は。
 どんな強い水際対策も必ず漏れがある。しかし、国内での感染拡大を遅らせ、感染の波を小さくできるかもしれない。ワクチン接種を進めたり、別のワクチンを開発したりする時間を稼げば死亡者が少なくなる。
 ―ワクチン追加接種までの間隔は。
 2回目と3回目の接種間隔は8カ月だが、リスクがある。2回目接種から5、6カ月で効果は薄れる。高齢者の2回目接種が6カ月経過するのは、今月から来年1、2月ごろ。3回目が接種できていなければ重症者が増え、医療が逼迫(ひっぱく)すれば緊急事態宣言も考えられる。55兆円の経済対策が無駄になりかねない。
 自治体間の横並び意識もあるかもしれないが、早くできる自治体から接種した方が犠牲は少なくなる。年内のワクチン供給量が足りなければ、政府がファイザー、モデルナと交渉すべきだ。
 ―行動制限緩和については。
 医療がどの程度逼迫するか、早く正しく伝えれば国民の意識や行動が変わる。これは「第5波」の教訓だ。経済活動との両輪を回すため、情報による効果で感染を抑えるべきだ。オミクロン株が国内でも市中感染すれば、数週間はなるべく宴会などをやめるよう呼び掛けた方がいい。年末年始も昔のようにはいかない。11月までよりも感染対策に気を付ける必要がある。 (C)時事通信社