日本でも来年(2022年)4月に接種の積極的勧奨再開が決まったヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて、米国から新たな疫学データが示された。米・St Louis University School of MedicineのTara Tabibi氏らは、15〜39歳の女性を年齢で層別化してHPVワクチン接種と子宮頸がんの発生率および死亡率との関係を検討。その結果、15〜24歳では発生率が約38%、死亡率が約43%減少したとJAMA Pediatr2021年11月29日オンライン版)に報告した。(関連記事:「HPVワクチン接種で子宮頸がん発生が9割減」

3群に分け接種前後で比較

 子宮頸がんに対するHPVワクチンの有効性については、これまでにランダム化比較試験(RCT)で前がん病変の抑制が、観察研究では発生率の減少がそれぞれ示されているが、死亡率に関する検討は少なかった。

 そこでTabibi氏らは、2001年1月〜17年12月の15〜39歳女性における①子宮頸がん発生率:米国立がん研究所(NCI)のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)および米疾病対策センター(CDC)の米国がん登録(NPCR)、②子宮頸がん死亡率:米国立衛生統計センター(NCHS)−のデータを抽出。対象を15〜24歳、25〜29歳、30〜39歳の3群に分け、各群の発生率および死亡率をワクチン接種前(2001年1月〜05年12月)と接種後(2010年1月〜17年12月)で比較し、HPVワクチン接種と子宮頸がんの発生率および死亡率との関係を後ろ向きに検討した。

 研究期間における10万人当たりの年齢調整後子宮頸がんの発生率は15〜24歳群で0.68、25〜29歳群で5.47、30〜39歳群で12.60で、年齢調整後死亡率はそれぞれ0.06、0.57、1.89だった。

 ワクチン接種前後における子宮頸がん発生率の変化は、15〜24歳群が37.70%減と最も大きく、25〜29歳群は16.16%減、30〜39歳群は8.03%減だった。死亡率の変化も15〜24歳群が43.35%減と最も大きく、25〜29歳群は4.36%増、30〜39歳群は4.71%減だった()。

表. HPVワクチン接種前後における子宮頸がん発生率および死亡率の変化

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JAMA Pediatr 2021年11月29日オンライン版)

 以上の結果を踏まえ、Tabibi氏は「これらの全国統計データの解析から、HPVワクチン接種後に子宮頸がんの発生率と死亡率は低下し、そのベネフィットは15〜24歳で最も大きいことが示唆された」と指摘。「今回の研究により、年齢ごとのHPVワクチンプログラムの適格性について新たな知見が追加された」としている。

(平山茂樹)