佐賀大学血液・呼吸器・腫瘍内科教授の木村晋也氏らは、高齢で初発慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)患者に対する超低用量ダサチニブ療法の有効性と安全性を検討するDasatinib very low dose for elderly CML patients(DAVLEC)試験を実施。その結果、同薬を標準用量の5分の1となる20mg/日で開始し、効果や副作用を見ながら用量調節する超低用量療法の有効性および安全性が示されたと、Lancet Haematol2021; 8: e902-e911)に発表した。

標準の5分の1量で治療開始

 第二世代BCR/ABL阻害薬のダサチニブは、一般的なCML治療薬である。
 しかし、特に70歳以上の高齢慢性期CML患者では、標準用量とされる100mg/日の服用で重篤な副作用が出現するケースが散見される。それにもかかわらず、どの程度減量すればよいかといった明確な指針は確立されていないため、実臨床では適宜投与量の調整が必要となる。

 そこで木村氏らは今回、全国25施設と共同で、高齢CML患者に対するダサチニブの最適投与量を探索することを目的にDAVLEC試験を実施した。対象は、初めて診断された70歳以上の慢性期CML患者52例(診断時平均年齢77.5歳、男性35例、女性17例)。ダサチニブ治療の期間は2016年11月1日~19年10月30日で、初期投与量は超低用量(20mg/日)だった。

 主要評価項目は、治療開始12カ月後の分子遺伝学的大寛解(MMR、BCR-ABL1IS 0.1%以下)の達成率とした。

1年後のMMR率は60%に迫る

 検討の結果、治療12カ月後のMMR率は59.6%(31例、片側95%CI 48~71%)だった。十分な効果が得られ、ダサチニブ20mg/日が維持されていたのは23例だった。

 安全性については、グレード3/4の有害事象が12例(23.1%)に認められ、最多は好中球減少症の3例(5.8%)だった。ダサチニブ投与に関連する死亡例はなかった。

 以上から、木村氏らは「70歳以上の高齢慢性期CML患者に対して、ダサチニブによる治療を超低用量(20mg/日)から開始しても良好な効果が得られる」と結論。「より大規模な集団、日本人以外の集団でも検討を重ねる必要がある」との見解を示すとともに、「薬剤の投与量を5分の1にできるということは、安全性だけでなく、個々の患者、ひいては国全体の医療費削減にもつながる」と付言している。

(比企野綾子)