中性脂肪学会は、中性脂肪学に関する研究や発表の場を設け、医学・医療の質を向上させることなどを目的として2017年に設立された。中性脂肪についてはいまだ不明点も多い。同学会は、現時点での知識を共有すべく、12月を「中性脂肪月間」と定め、24日までオンデマンドで関連コンテンツを配信している。

テーマは「今日から使える!中性脂肪の知識」

 血中の中性脂肪濃度が上昇すると、動脈硬化性の脳心血管疾患や糖尿病、脂肪肝などを引き起こすことは周知の事実だが、中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)の認知度は高いとは言い難い。

 TGCVは「心臓の肥満」とも呼ばれる新規疾患概念で、同学会代表理事で大阪大学特任教授の平野賢一氏らが2008年に心臓移植待機症例より見いだした(N Engl J Med 2008; 359 : 2396-2398J Atheroscler Thromb 2009; 16: 702-705)。TGCV患者では、正常心でエネルギー源となる長鎖脂肪酸が細胞内代謝異常のために利用できず、心筋細胞、血管平滑筋細胞に中性脂肪として蓄積、重症の心不全や冠動脈疾患などを呈する。

 同学会は、中性脂肪に関する知識の普及を目指し、10月第3土曜日を中性脂肪の日とする記念日登録を申請し、2018年に承認された。土曜日としたのには理由がある。1週間の中で中性脂肪は月曜日に上昇することが多く、土日の食生活の乱れによるものと考えられ、週末の食生活に注意を要する〔中性脂肪の漢字のうち、「性」には「十」が、「脂」には「月」が含まれていることの語呂合わせ〕。

 翌2019年から毎年10月第3土曜日に、同学会学術集会や市民公開講座を開催している〔新型コロナウイルス感染症流行拡大に伴う緊急事態宣言の延長により、今年(2021年)は開催日を12月4日に変更〕。

 さらに同学会は、今年から12月を中性脂肪月間と定めた。今年のテーマは「今日から使える!中性脂肪の知識」。第1回同月間(12月1~24日)会長の小林邦久氏(福岡大学筑紫病院内分泌・糖尿病内科教授)は、同学会のオンデマンド配信で開催を宣言。「コンテンツにはTGCV、治療に役立つ中性脂肪、治療薬および健康食品など幅広いテーマを取り上げている。また多職種の演者を迎えた」と述べ、多くの視聴を呼びかけている。

 中性脂肪月間のコンテンツ視聴方法は、同学会公式サイト(関連リンク)を参照。

(田上玲子)

変更履歴(20121年12月6日):情報を追加しました