新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」は、アフリカ南部で11月に初めて確認されて以降、米欧や日本を含む世界各地に拡散している。これまで変異株の主流だったデルタ株より「相当な増殖力」(欧州連合=EU=保健当局)があるとみられ、渡航歴のない人の感染も相次いでいる。米政府などは、ワクチン接種完了者が追加で打つ「ブースター」の促進など市中感染対策を重視し始めている。
 「米国でも確認されると思っていた」。バイデン米大統領は、カリフォルニア州で国内初のオミクロン株感染者が判明した翌日の2日、ブースター拡大などを柱とした行動計画を発表、「パニックに陥る必要はない」と訴えた。
 2日には中西部ミネソタ州当局が、海外渡航歴のない成人男性の感染を発表。男性は発症前に5万人以上の来場者を集めたニューヨーク市でのイベントに参加していた。
 デブラシオ・ニューヨーク市長は「市内で変異株の市中感染が存在すると推測しなければならない」と危機感を表明し、全市民にワクチン接種のほか、公共の場や屋内でのマスク着用を改めて要請した。ハワイ州でも2日、旅行歴がない感染者が確認され、州保健当局は「市中感染だ」と指摘した。
 欧州では、英国、ドイツ、フランス、イタリアなどで感染が確認されている。EUの欧州疾病予防管理センター(ECDC)は2日、オミクロン株について「今後数カ月以内にEU内のコロナ感染の半分以上の原因になると見込まれる」とする分析内容を公表。デルタ株を上回る勢いで拡散するとの見通しを明らかにした。
 ノルウェーではオスロで開かれたパーティーの出席者1人がオミクロン株に感染し、参加者50人以上がコロナ感染に陽性反応を示していたことが分かった。オミクロン株の集団感染が起きた可能性がある。
 ECDCのアモン所長は「EU内でオミクロン株のさらなる拡散を遅らせるための多層的アプローチが必要だ」と強調。「ワクチン未接種の人、ワクチン接種を完了していない人、あるいは追加接種を受けていない人で40歳超の人は、接種が不可欠だ」と呼び掛けた。 (C)時事通信社