ヤンセンファーマは12月7日、同社が開発したキメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T細胞)製品ciltacabtagene autoleucel (cilta-cel)について、厚生労働省に承認申請を行ったと発表した。3ライン以上の前治療歴を有し、かつプロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の3種類の治療薬いずれにも抵抗性を示した再発または難治性の多発性骨髄腫(MM)への適応取得を目的としている。MMに対して、初のCAR-T療法として承認が期待されるブリストル・マイヤーズ スクイブのidecabtagene vicleucel(ide-cel、現在申請中)に続く2製品目となる見通しだ。国内のCAR-T療法では5製品目となる見通しだ見込み。

18カ月間の追跡調査で全奏効率98%、完全奏効80%

 cilta-celは、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR-T療法。今年(2021年)6月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)において、同薬の第Ⅰb/Ⅱ相試験CARTITUDE-1の無増悪生存(PFS)に関するデータを含む18カ月間の追跡調査結果が発表された。今回の日本国内での申請は同試験の結果に基づき行われた。

 CARTITUDE-1は再発または難治性の成人MM患者を対象にcilta-celの有効性と安全性を評価したもので、対象者97例の99%が最終ラインの治療薬に対する抵抗性を示し、また88%が免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体に対する不応例で、3種類の薬剤に対して抵抗性を示した患者を対象とした。

 解析の結果、主要評価項目の全奏効率(ORR)が98%、厳格な完全奏効(sCR)は80%だった。18カ月後のPFSは66%(95%CI 54.9~75.0%)、全生存(OS)は81%(同71.4~87.6%)だった。

先行するMMのCAR-T療法が部会通過、来年1月に承認も

 なお、MMに対する初のCAR-Tとして承認が見込まれるide-celについては、厚労省の薬事食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会が12月6日に承認を了承した。早ければ来年1月に承認される見通しだ。

 ide-celが承認されると、国内におけるCAR-Tとしては、①チサゲンレクルユーセル(商品名キムリア、適応症は再発または難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、②アキシカブタゲン シロルユーセル(同イエスカルタ、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫)、③リソカブタゲン マラルユーセル(同ブレヤンジ、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫、再発または難治性の濾胞性リンパ腫)ーに続く4製品目となる。

(小沼紀子)