大企業によるベンチャー企業への出資を優遇する「オープンイノベーション促進税制」は、2年間の延長が決まった。法人税の課税所得からの控除率は現行の「出資額の25%」が維持され、出資先企業の要件が従来の「設立年数10年未満」から、「15年未満」へ緩和された。新型コロナウイルスの影響で事業環境が激変する中、大企業とベンチャー双方の迅速なイノベーション(技術革新)や事業再構築の重要性がより増していると判断された。
 大企業の出資を優遇するこの減税措置は、今回の税制改正大綱でも「極めて異例の措置」と明記された。それでも、事業領域を拡大できる大企業だけでなく、資本を受け入れる側のベンチャー企業にとってもメリットは大きい。資金調達に加え、大企業が築き上げた販路などを利用すれば成長を加速できる。既に、医療や人工知能(AI)分野で制度を活用した成功事例が増え始めている。
 欧米に比べ、日本企業のベンチャー投資額は極めて低い水準にとどまっている。経済産業省によると、2019年度の投資額は米国の19分の1。18年度の企業の合併・買収(M&A)件数に至っては、ほぼ100分の1だ。拡充を要望してきた経産省は「欧州や中国にも後れを取っており、優遇制度の必要性は高い」(幹部)と指摘している。 (C)時事通信社