18歳以下の子どもに現金とクーポンで10万円相当を給付する政府方針をめぐり、事務を担う自治体からは混乱を訴える声が出ている。政府は現金とクーポンで5万円ずつ給付することを原則としつつ、全額現金も容認。ただ、その基準を示すのは今年度の補正予算成立後となる見通しだ。そうした中で「全額現金」の検討を表明する動きが相次いでいる。
 クーポンは全額消費に回せる利点があるが、「使える店の選定・登録に加え、紙の場合は偽造防止策や印刷などの手間があり事務は煩雑」(ある自治体の担当者)。木原誠二官房副長官は9日、どのような場合に現金給付に代えられるか「補正予算成立後速やかに示したい」と言及したが、補正成立は21日近くになる見通しだ。
 大阪市は当初、クーポンは時間がかかるとして、27日に現金で10万円を一括給付する考えを示していたが、木原氏発言を受け断念。松井一郎市長は「残念で仕方がない」としたが、分割での現金給付は引き続き検討する意向だ。
 千葉市や神奈川県鎌倉市、静岡県島田市、大阪府箕面市なども現金給付を検討。千葉市担当者は「クーポンで何を購入できるかは自治体で違いがあり、不平等感が出てしまう。現金なら円滑に給付できる」、島田市担当者も「現金なら来年の入学式にも間に合い、子育て世代が新学期の用品などに充てられる」と話す。
 「クーポンもらっても(過疎地では)買いに行く場所がない、どうする?やっぱ、現金配布がいいんですよ。このことひとつとっても、都会の論理で決められていく」。群馬県太田市の清水聖義市長も9日、ツイッターにこう投稿した。市は年内と来春に5万円ずつの現金を支給したい意向だが、国が補助しなければクーポンも考えざるを得ないとしている。
 名古屋市は現金とクーポンに分ける方針だ。河村たかし市長は、昨年の一律10万円の特別定額給付金は「全額現金にしたから、貯蓄に回ってしまった」と強調。ただこちらもクーポンの内容は「検討中としか言えない」(担当者)状態で、国の具体的な制度設計を待つ。 (C)時事通信社