英・アストラゼネカは、長時間作用型抗体カクテル療法Evusheld(開発コード:AZD7442)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の曝露前予防を適応として、米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可(Emergency Use Authorization;EUA)を12月8日付で取得したと発表した。間もなく初回分の投与が可能となる見込みだという。

オミクロン株への効果については検証中

 Evusheldは、COVID-19の回復患者から提供されたB細胞に由来する2種類の長時間作用型抗体tixagevimab(AZD8895)とcilgavimab(AZD1061)の併用療法。現時点で、投与経路が筋肉内投与である唯一のCOVID-19抗体療法だ。

 今回のEUAにおける投与対象は、①病状あるいは免疫抑制薬により中等度~重度の免疫不全があり、COVID-19ワクチンに対して十分な免疫応答が得られない可能性がある者、②COVID-19ワクチンの接種が推奨されていない成人および小児(12歳以上かつ体重40kg以上)-となっている。現感染例や、COVID-19患者と直近に接触があった場合は投与できない。

 EvusheldのEUAは、曝露前予防試験として進行中の第Ⅲ相試験PROVENTの結果に基づくもので、症候性COVID-19の発症リスクはプラセボと比べて主要解析では77%、中央値6カ月の追跡期間での解析では83%減少し、ウイルスからの保護作用が少なくとも6カ月間持続していた。また、曝露後試験として実施された第Ⅲ相試験STORM CHASERおよびEvusheldの第I相試験のデータも、EUAを裏付けるものであり、同療法の忍容性は良好だった。1回の投与後、最大12カ月間のCOVID-19発症予防が期待される。

 また、in vitro試験の結果では、デルタ株およびミュー株を含む最近出現した新型コロナウイルス変異株への中和作用が示されたものの、オミクロン株については現在研究が進行中だという。

 Evusheldについて、FDA医薬品評価研究センター(CDER)所長のPatrizia Cavazzoni氏は「COVID-19に対する最善の予防策がワクチンであることに変わりはないが、Evusheldは免疫力が低下した者や副作用によりワクチンが使用できない者の有用なオプションとなるだろう」とコメントしている。

(編集部)