【フランクフルト時事】欧州の製造業が部品の供給制約に苦しんでいる。欧州中央銀行(ECB)は新型コロナウイルス危機対応の1兆8500億ユーロ(約240兆円)の資産購入策を、来年3月末で終了する方針だが、供給制約やエネルギー相場高が長引き、景気回復の足かせとなることを警戒する。
 独自動車大手フォルクスワーゲンの11月の世界販売台数は、深刻な半導体不足が響き、前年同月比約3割減と大きく落ち込んだ。同社幹部は「来年は半導体供給がわずかに改善する」と見込むが、上半期の生産は非常に不安定な状況が続くと予想する。ドイツのIFO経済研究所の調査では、原材料不足を訴える独企業が回答の7割を超えた。
 ECBは16日の定例理事会で、コロナ対応策の終了とともに、その後の金融支援策を議論する。企業の資金繰りの急激な悪化を避けるため、来年4月以降の一定の経過措置が検討されるとみられる。
 米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ懸念を背景に量的緩和の終了前倒しに加え、利上げも視野に入れているのに対し、ラガルドECB総裁は「米国と欧州の経済状況は大きく異なる」と指摘。ユーロ圏のインフレ率は足元で4%台と目標の2%を上回って推移するが、来年には低下するとみており、「利上げを行う可能性は極めて低い」との見解を示す。 (C)時事通信社