文部科学省は2022年度、全国の小学5、6年生と中学生らを対象に、デジタル教科書を無料配信する実証実験を始める方針だ。配信教科は英語を中心とし、音声機能を付けるなど、新たな活用方法を模索していく。実証を通じ、デジタルと紙の教科書を併用し、それぞれの役割分担や導入効果を検証。24年度からの本格導入を目指す。
 対象は、タブレット端末を導入している国公立・私立の小学校5、6年生と中学校、特別支援学校の児童生徒。デジタル教科書を扱う複数の業者に学校への提供などを委託する。
 新型コロナウイルス禍を背景に、1人1台のタブレット端末配布は一気に普及し、9割以上の自治体で導入済み。ただ、学習面で端末を使いこなしている例は少なく、肝心な教材が依然として紙で配られるなど、ソフト面での充実が課題となっていた。
 英語は端末を導入している全ての学校に配信。デジタル教科書には音声朗読機能が含まれる。文科省幹部は「発音が分かるデジタル教科書を用いることで、紙とは異なる役割が期待される」と説明。実証では、リスニング能力の向上にどう役立つかについても検証する方向だ。
 さらに、希望する自治体には、算数・数学、理科といった理系科目や、音楽、図画工作・美術、技術、家庭、体育・保健体育の中から1教科を、追加で配信する。同省によると、これらの科目のデジタル教科書では、図形や動画などを用いて理解を手助けする役割が期待されるという。
 同省の有識者会議は6月、デジタル教科書の24年度の本格導入を目指しつつ、紙とデジタルを併用する必要があると提言。同省は、実証結果を踏まえ、本格導入の手法を検討していく。 (C)時事通信社