米・Icahn School of Medicine at Mount SinaiのMark G. Lebwohl氏らは、軽度〜重度の尋常性乾癬患者約500例を対象に、アリル炭化水素受容体(AhR)を標的としたtapinarofの有効性および安全性を評価する2つの第Ⅲ相多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(RCT)PSOARING 1、2を実施した。その結果、尋常性乾癬患者においてtapinarofはvehicleに比べて有意に尋常性乾癬の改善効果を示したが、局所的な有害事象も発生したとN Engl J Med2021; 385: 2219-2229)に発表した。

患者の8割が中等度

 今回Lebwohl氏らは、vehicleと比べてtapinarofの有効性および安全性を評価するため、米国およびカナダの97施設において、同一の2つの第Ⅲ相RCT(試験1:2019年4月25日〜20年5月26日、試験2:2019年5月30日〜20年5月13日)を実施した。

 対象は、慢性尋常性乾癬と診断された18~75歳の成人。試験開始前6カ月以上病状が安定しており、体表面の病変が3~20%(頭皮、手のひら、爪、足の裏は含まない)で、スクリーニングおよびベースラインでのPhysician's Global Assessment(PGA)スコアが2(軽度)、3(中等度)、4(重度)の患者とした。また、軽度または重度の患者はそれぞれ全体の約10%に限定し、80%以上が中等度とした。

 試験1では510例(tapinarof群340例、vehicle群170例)、試験2では515例(tapinarof群343例、vehicle群172例)が各群に2:1の割合で割り付けられ、それぞれtapinarof 1%クリームまたはvehicleクリームを1日1回、12週間使用した。

 主要評価項目はPGAスコアの改善とし、12週目にPGAスコアが0/1となり、最大5ポイントのPGAスケールでベースラインから少なくとも2ポイント減少した割合と定義した。

 副次評価項目は、12週目におけるPsoriasis Area and Severity Index(PASI)スコアがベースラインから75%以上低下した患者の割合(PASI 75)、PGAスコアが0/1になった患者の割合、罹患した体表面の総面積の割合の平均変化、PASIスコアが90%以上低下した患者の割合(PASI 90)とした。

 患者報告項目は、瘙痒の程度を評価するPeak Pruritus Numeric Rating Scale(PP-NRS)スコア(範囲0~10)が4ポイント以上低下(改善)した患者の割合、PP-NRS総合スコア、Dermatology Life Quality Index総合スコア、Psoriasis Symptom Diaryスコアのベースラインから12週目までの変化の平均値とした。

Tapinarof群の35%でPGAが0/1になり、2ポイント以上減少

 解析の結果、PGAスコアの改善は、試験1ではtapinarof群の35.4%、vehicle群の6.0%(調整後差29.4%ポイント、relative rate 5.8、95%CI 2.9〜11.6、P<0.001)、試験2ではそれぞれ40.2%、6.3%に認められた(同33.9%ポイント、6.1、3.3〜11.4、P<0.001)。

 PASI 75は、試験1ではtapinarof群の36.1%、vehicle群では10.2%で(差25.9%ポイント、relative rate 2.8、95%CI 1.7〜4.5、P<0.001)、試験2ではそれぞれ47.6%、6.9%であった(同40.7%ポイント、6.5、3.7〜11.5、P<0.001)。

 12週目にPGAスコアが0/1になった患者の割合は、試験1ではtapinarof群で 37.8%、vehicle群で9.9%(差27.9%ポイント、relative rate 2.7、95%CI 1.6〜4.4、P<0.001)。試験2ではそれぞれ43.6%、8.1%であった(同35.5%ポイント、4.6、2.7〜7.6、P<0.001)。

 その他の副次評価項目や患者報告事項についても、同様の結果であった。

 試験中の有害事象は、試験1ではtapinarof群の50.3%、vehicle群の22.4%、試験2ではそれぞれ54.5%、26.2%で発生した。tapinarofクリームの有害事象は、毛囊炎、鼻咽頭炎、接触皮膚炎、頭痛、上気道感染症、瘙痒などであった。いずれの試験においても、tapinarofまたはvehicleクリームに関連すると考えられる重篤な有害事象はなかった。

 以上から、tapinarofはvehicleに比べて乾癬の症状を軽減する効果が認められたが、局所的な有害事象も伴っていた。Lebwohl氏らは「既存の乾癬治療薬と比較したtapinarofの有効性および安全性を評価するには、より大規模かつ長期の試験が必要である」と述べている。

(今手麻衣)