金融庁の国際部門トップを務める天谷知子金融国際審議官はインタビューに応じ、新型コロナウイルス対応として各国・地域が実施した金融緩和策などで生じた企業の過剰債務と金融市場の過熱に対し警戒感を示した。コロナ収束後、政策が平時モードに戻ることを見据え「適切な対応が必要だ」と訴えた。
 コロナ対策で各国・地域の政府や中央銀行は、企業の資金繰り支援などを実施した。一方、緩和マネーは金融・商品先物市場に流入し、株式や商品市況の乱高下を引き起こし、企業支援策はコロナにかかわらず事業継続が厳しかった企業の存続につながった。米国での量的緩和縮小など、コロナ収束に伴い政策変更が進めば、新興国市場から投資資金を引き揚げる動きが広がりかねない。天谷氏は「大きな影響を受ける新興国は多い」と懸念を示した。
 一方、地球温暖化対策では企業の脱炭素事業への移行を後押しする「トランジション(移行)・ファイナンス」の重要性を強調。民間主導で実務や手法を開発することが課題になると指摘した。
 海外投資家は、投資先企業に供給網全体で脱炭素化を目指すよう求めており、中小企業は移行計画を示せないと部品調達の対象外になる恐れがある。天谷氏は、企業が適切な計画を作って「投資家に(納得して)受け入れられることが重要になる」と語った。 (C)時事通信社