新型コロナウイルス対策を盛り込んだ2021年度補正予算案に対し、立憲民主党など野党全党が反対した。安倍・菅政権時代は賛成してきた日本維新の会が反対に回り、期せずして野党の足並みがそろった。一方、立民、国民民主両党は個別に組み替え動議を提出。野党共闘の枠組みが崩れ、それぞれ独自色を競った。
 「現金給付を許容したのに(クーポン活用で生じる)967億円の事務費は計上したままだ」。立民の小川淳也政調会長は15日、18歳以下への10万円相当給付に関する政府の方針転換が反映されていないと記者団に指摘。参院審議でただしていく考えを示した。
 立民と国民は補正の内容ではコロナ禍で本当に苦しんでいる人々に支援が届かないとして、組み替え動議を衆院予算委員会にそれぞれ提出。与党に否決されたが、マイナンバーカード所有者に最大2万円分のポイントを付与する「マイナポイント」事業をやめて財源を捻出し、個人給付・事業者支援に充当するよう訴えた。
 国民は今国会から立民主導の野党国対の枠組みから離脱。立民とはテーマごとに協力するスタンスに転じた。立民も共産党などとの共同提出ではなく単独提出に踏み切り、それぞれ今後の共闘の在り方を模索する。
 維新も立ち位置を変化させた。補正反対は前身の旧おおさか維新の会時代の16年1月以来、約6年ぶりとなる。安倍・菅政権とは「蜜月」を演出してきた維新だが、岸田政権には厳しく対峙(たいじ)する方針だ。
 予算審議で維新は10万円相当給付より、消費税率を時限的に5%に引き下げる方が経済効果があるとの立場で、「10万円給付は政策目的が不明で、無駄な事務コストも掛かる」(馬場伸幸共同代表)などと厳しく批判していた。
 野党は来年の通常国会に向けて攻勢を強める構え。自民党の閣僚経験者は「いろいろ出てきそうで心配だ」と語った。 (C)時事通信社