金属労協の浅沼弘一事務局長は時事通信のインタビューに応じ、2022年春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を獲得する傘下労働組合の割合をコロナ禍前の水準まで回復させることを目指すと表明した。19年春闘では賃上げを要求して経営側から回答を得た労組の6割がベアを獲得。21年春闘では4割に落ち込んでおり、浅沼氏は「少なくとも6割まで戻したい」と述べた。
 金属労協は自動車や電機などの産業別労組で構成する。22年春闘でのベア要求は「月3000円以上」を基本とする方針を決定。浅沼氏の発言は、企業業績の回復傾向を踏まえ、ベアの勢いを復活させたい考えを示したものだ。
 また、浅沼氏は、政府が産業界に賃上げを要請する「官製春闘」が14年に始まった後も、実質賃金や物価が上がらなかったことを問題視。「付加価値(の向上)を適正に価格に反映できる環境の整備が必要だ」と語った。
 春闘方針では、自社や取引先で人権侵害がないか監視する「人権デューデリジェンス」への対応も初めて盛り込み、労使で認識を高める考え。浅沼氏は「(労組は)社会性をもっと発揮できる力がある」と指摘。組織率の低下に歯止めをかけるためにも、社会的課題の解決に労組としても責任を果たす必要性を強調した。 (C)時事通信社