厚生労働省と東京都は16日、米国から8日に帰国した都内の20代女性が新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に感染し、その濃厚接触者の男性のコロナ陽性が判明したと発表した。男性は12日、川崎市の等々力陸上競技場でサッカー天皇杯準決勝を観戦しており、都はオミクロン株感染の有無を確認している。
 厚労省や都は、男性の周辺で観戦していた約80人に検査を促すとともに、体調が優れない観客は外出を避け、医療機関を受診するよう呼び掛けている。
 厚労省と都によると、女性は8日、米テキサス州から成田空港に到着したが、検疫ではコロナ陰性だった。同州からの入国者は当時、検疫施設での待機対象外だったため、自宅に戻り待機を始めた。9日に発熱の症状が出て10日に医療機関を受診。都が全遺伝情報(ゲノム)解析を行ったところ、16日にオミクロン株感染が確認された。検疫以外での判明は岐阜県の男性に次いで2例目。
 男性は8、9両日に女性と面会。10日には発熱などの症状が出た。観戦後の13日に職場に出勤したが、同日に女性の濃厚接触者と特定され、15日にコロナ陽性と判明した。一緒に試合を観戦した家族3人と、職場の7人が男性の濃厚接触者と特定された。
 女性と男性はいずれも、モデルナ製のワクチンを2回接種していた。
 12日の天皇杯準決勝は、観客数の上限を設けずに開催された。日本サッカー協会によると、観客数は1万7595人だった。
 松野博一官房長官は今回のケースについて、「いわゆる市中感染が発生したとは考えていない」と述べた。 (C)時事通信社