厚生労働省は17日、児童相談所が虐待を受けた子どもを親と引き離す一時保護を行った際、裁判官が妥当性を判断する司法審査の導入を決めた。児童福祉法の見直しを議論する社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の専門委員会で同日、大筋で了承された。来年の通常国会へ法案を提出する。
 司法審査では、児相が資料を集めた上で、保護開始日から7日以内に書面で「一時保護状」(仮称)を裁判官に請求。事前の請求も可能だ。却下となれば、児相は保護を解除する。親権者の同意がある場合は、審査対象から除外される。
 法改正ではこのほか、子どもの権利擁護を重視。児相が一時保護や施設への入所といった措置を講じる際、本人への聞き取りを義務化する。子どもが意見を表明できるよう、都道府県には支援員配置などの体制整備を求める。
 市区町村による子育て支援も強化する。虐待の兆候がある子育て世帯などを対象とした個別支援計画について、市区町村に策定を義務付ける。ヘルパーを派遣し、家事や育児を手助けする事業の利用を促す。また、母子保健、児童福祉の分野ごとに分かれている市区町村の支援拠点を再編。妊産婦や子育て世帯などからの相談を一体的に受け付ける機関の設置を進める。
 一方、虐待に対応する人材の資質向上のための新たな資格「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」(仮称)の創設をめぐっては、専門委で意見がまとまらず、了承は見送られた。引き続き議論する。 (C)時事通信社