児童相談所が虐待を受けた子どもを親から分離する一時保護に司法審査を導入することが決まった。裁判所が必要性を審査し「一時保護状」(仮称)を発付する仕組みだが、児相の事務負担が重くなるのは避けられず、国や自治体には児相の体制強化に向けた具体策が求められる。
 一時保護は、虐待により生命に危険が及ぶ恐れがある子どもを、児相が原則2カ月以内で預かり、安全を確保する制度。現在でも、保護が親の同意なしに2カ月を超える場合は家庭裁判所の承認が必要だ。
 児相の対応に不信感を募らせた親とトラブルになるケースも少なくないため、厚生労働省は司法審査で手続きの透明性を確保し、適正な保護につなげる考えだ。
 2020年度に全国の児相が対応した虐待相談件数は20万件超。このうち1割強で一時保護が行われた。審査の請求で、人手不足が指摘される児相の業務がさらに逼迫(ひっぱく)する恐れがある。
 東京通信大の才村純教授(児童家庭福祉論)は「十分な証拠が集まらなければ保護をためらう可能性もある。法律に詳しい弁護士を児相に配置するなど、専門の人材確保が急務だ」と指摘した。 (C)時事通信社