【ベルリン時事】ドイツで、新型コロナウイルスワクチン反対派の一部が、組織的に政治家の殺害を計画するなど過激化している。ショルツ首相は過激派に強い対応を取る方針を示したが、接種の広範な義務化が検討されるなど未接種者が追い詰められる中、暴力的事態のエスカレートが懸念されている。
 警察当局は15日、東部ザクセン州ドレスデンで住宅などの捜索を行い、銃器や銃器の部品を押収した。警察によると、ワクチン接種反対派の6人の男女が、ロシア発の通信アプリ「テレグラム」でグループをつくり、同州のコロナ対策を主導するクレチュマー州首相を殺害する計画を立てていた疑いがあり、捜索はこれに関連したものという。
 また、公共放送ARDは14日、ベルリンのミュラー市長や連邦議会(下院)議員、メディア関係者ら十数人に対し、アルミホイルに包まれた肉片を同封した脅迫文が届いたと報じた。脅迫文には、肉片は新型コロナと、ナチスが強制収容所のガス室で使ったとされる殺虫剤「ツィクロンB」で汚染されており、ワクチンへの抵抗は「血みどろ」になると記されていた。
 ドイツのワクチン接種完了率は全人口の約7割で停滞している。製薬業界団体が実施した世論調査によると、18歳以上の未接種者のうち4割が、何があっても接種しないと回答した。現在では医療従事者らのみ接種が義務付けられているが、より広範な義務化が導入される可能性が高まっている。
 ショルツ首相は15日に就任後初めて行った施政方針演説で、「ごく少数の過激派による意見の押し付けは許さない」と、暴力的な抵抗には強い姿勢で臨む考えを示した。 (C)時事通信社