政府は21日、12月の月例経済報告を公表し、景気の全体判断を2020年7月以来、1年5カ月ぶりに引き上げた。「新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きが見られる」と評価。国内のコロナ感染が下火となり、低迷が続いた個人消費に回復の動きが広がっていることを踏まえた。
 11月の全体判断は「持ち直しの動きに弱さが見られる」だった。ただ、新たな変異株「オミクロン株」感染が世界的に広がっており、12月報告は景気の先行きについて「変異株をはじめ感染症による内外経済への影響」に注視が必要だと強調した。
 個別項目の判断では、内需の柱である個人消費を「このところ持ち直している」に2カ月連続で上方修正した。緊急事態宣言が9月末で全面解除され、外食や旅行などサービス消費は改善基調。さらに、サプライチェーン(供給網)混乱による自動車の大幅減産で落ち込んだ新車販売にも底打ち感が出ていると判断した。「持ち直している」との判断は、政府の観光支援策「Go To トラベル」事業が消費の追い風となった昨年11月以来、1年1カ月ぶり。
 また、宿泊・飲食サービス業の景況感と雇用の改善を踏まえ、企業の業況判断や雇用情勢の判断も上方修正した。
 一方、設備投資は「持ち直しに足踏みが見られる」へ、1年1カ月ぶりの下方修正。コロナ禍の長期化や供給網混乱でソフトウエア投資を中心にこのところ落ち込んでいたが、内閣府は「企業収益の改善で投資の足踏みは一時的」と分析している。用地不足の影響で住宅建設も「おおむね横ばいとなっている」に引き下げた。
 輸出は「おおむね横ばいとなっている」、生産は「持ち直しに足踏みが見られる」にそれぞれ据え置いた。 (C)時事通信社