【ロンドン時事】ジョンソン英政権で失態が相次ぎ、首相への信頼が大きく揺らいでいる。与党保守党議員による企業ロビー活動への対応が迷走したほか、新型コロナウイルス対策で人の集まりが厳しく制限された昨年、首相官邸でパーティーを開いていたことも発覚し、世間をあきれさせた。世論調査でのジョンソン首相の支持率は、今月に入り過去最低を記録した。
 下院の倫理基準委員会は10月下旬の報告書で、首相に近い保守党のパターソン議員が、企業から多額の報酬を得て政府へのロビー活動を行っていたとして規定違反を指摘。30日間の議員資格停止を勧告した。
 議員の「副業」は以前から論議を呼んでいるが、首相側が11月に入り、パターソン氏を擁護する形で議員資格停止に反対するよう保守党議員に指示し、野党だけでなく保守党内からも「身内びいき」と反発が噴出。首相は1日で指示を撤回し、指導力に疑問符が付いた。メージャー元首相(保守党)は政権の行動を「政治的に腐敗している」と批判した。
 結局、パターソン議員は辞職。16日に行われた補欠選挙で、保守党は約200年にわたり維持した議席を自由民主党に明け渡す屈辱的敗北を喫した。首相は「全ての責任は私にある」と非を認めた。
 パーティーをめぐり事実と異なる説明が行われたことも、首相への不信を強めた。首相官邸で昨年12月、規制に反した疑いのあるクリスマスパーティーが開かれた問題について、官邸は当初、開催自体を否定していた。さらに今月20日には、集会規制中の昨年5月、首相夫妻も参加して官邸の裏庭で行われた集会の写真が明るみ出た。官邸は先週、この集会を「職務上の会合」と説明していたが、写真はワインやチーズが振る舞われる様子を捉えていた。
 ジョンソン氏は2019年の総選挙で保守党を大勝に導いた実績があり、党首交代を視野に首相の責任を厳しく問う声は、今のところ党内の主流になっていない。ただ、下院で14日に行われたコロナ関連追加規制の採決では、保守党の99人が反対。ジョンソン首相就任後では最大の「造反」となり、求心力に陰りも目立ってきた。 (C)時事通信社