2025年大阪・関西万博の運営を担う日本国際博覧会協会(万博協会)が、会場内のバリアフリー基準について定めた「ユニバーサルデザイン(UD)ガイドライン」を見直す方針を固めたことが22日、関係者への取材で分かった。近く検討委員会を設置して見直しに着手する。
 万博協会が9月に公表したガイドラインは障害当事者の意見を聴かずに策定されており、「策定過程と内容に問題がある」(政府関係者)との声が上がっていた。
 政府が17年に策定した「UD2020行動計画」は「政策立案段階での障害当事者の参画が必要」と明記しており、東京五輪・パラリンピックの会場整備では多くの当事者が参画していた。
 五輪パラでは、エレベーターについて車いすが同時に複数台利用できる17人乗り以上を標準としていたが、万博のガイドラインでは1台の利用を想定した11人乗り以上と規定。車いす用観覧席の配置でも、五輪パラであった2カ所以上への分散に関する記載はなかった。
 認定NPO法人「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」(東京)の佐藤聡事務局長は「当事者抜きで作成しており、利便性を考慮しない点が散見される」と指摘する。
 UDに詳しい東洋大人間科学総合研究所の川内美彦客員研究員は「当事者が意見を出し合い、隠れたニーズを顕在化させるプロセスにこそUDの意味がある。未来を見せる万博で基準が後退しては開催意義が問われる」と話している。 (C)時事通信社