新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について、感染経路不明の感染者が国内でも確認された。専門家は、感染が既に市中で広がっているとの見方を示した上で、3密回避やマスク着用など、これまでの感染対策を継続するよう求めた。
 感染症が専門の大学教授は、今回の事例を「氷山の一角」と表現し、「検疫をすり抜けたウイルスの感染が既に広がっているだろう」と推測する。その上で、「冬場は肺炎が重症化しやすく、インフルエンザも流行しやすい。今大切なのは3密回避やマスク着用、換気徹底といった基本的な対策だ」と訴えた。
 国に対しては、開発が進むオミクロン株用のワクチン確保を急ぐとともに、水際対策を続けて流入を可能な限り食い止め、急激な病床逼迫(ひっぱく)を防ぐよう求めた。
 新型コロナ対策を助言する厚生労働省の専門家組織は22日夜、国内での市中感染確認を受け「今後、(日本でも)感染拡大が急速に進むことを想定すべき状況にある」と分析。今月から始まったワクチンの3回目接種について、医療従事者や重症化リスクが高い高齢者への前倒しの円滑な実施が求められるとの見解を公表した。
 同組織座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は会合後の記者会見で「オミクロン株へのワクチン効果がかなり弱まっている可能性がある。マスク着用や手指衛生、3密回避といった基本的な感染対策の徹底を継続することが必要だ」と強調。人が集まる機会の多いクリスマスや年末年始が控えており、「デルタ株の感染も増加している。少人数での活動を心掛け、大声を出す長時間の宴会などは避けてほしい」と訴えた。 (C)時事通信社