オミクロン株はデルタ株より強い感染力を持つとされる一方、感染しても軽症か無症状で済む傾向が指摘される。新型コロナウイルスワクチンを2回接種後の感染も相次ぐが、3回目接種によって高い感染予防効果を期待できるとの報告もある。
 最初の感染例は11月24日、南アフリカから世界保健機関(WHO)に報告された。それからわずか1カ月で、感染確認は約100カ国へ広がり、各地で置き換わりが急速に進む。京都大の西浦博教授によると、南アなどでは、感染者1人が平均してうつす人数「実効再生産数」がデルタ株の約4倍に上る。新規感染者が2日間程度で倍増するとの見方もある。
 欧州連合(EU)の欧州疾病予防管理センターによると、EU域内などでの感染は5000件近く確認されたが、ほとんどが軽症か無症状。死者は英国や米国で確認されたが、全体に占める割合はごくわずかだ。
 日本でも21日までに85人の感染が確認されたが、重症者はいないとされる。しかし専門家らは、未解明な部分が多いとして現時点での重症化リスク軽視に警鐘を鳴らす。
 オミクロン株は細胞に侵入する際に使う表面突起の変異が多数あり、既存ワクチンなどで作られた抗体が効きにくいとされ、2回接種後の感染例が相次ぐ。ただ米ファイザーなどは、3回目接種で感染を防ぐ「中和抗体」のレベルが上がり、高い感染予防効果が期待できるとの実験結果を公表した。2回接種でも重症化を防ぐ効果はあるという。 (C)時事通信社