半導体をはじめとする部品不足で製品の生産が滞り、クリスマスから年末年始にかけての家電商戦が盛り上がりを欠いている。子どもに人気のゲーム機は品薄が続き、年賀状向けに需要が増えるプリンターも減産を強いられる。影響は「広範囲の家電製品に及んでいる」(アナリスト)といい、新型コロナウイルスの感染が落ち着く中、持ち直しつつある消費に冷や水を浴びせかねない。
 ソニー・インタラクティブエンタテインメントの家庭用ゲーム機「プレイステーション5」。昨年11月に発売し、今年7月には歴代機種で最速の累計販売1000万台を達成した。しかし、品薄により、フリーマーケットサイトでは定価の2倍の10万円超で転売される例も相次ぐ。
 任天堂は11月、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の今年度販売台数予想を2550万台から2400万台に引き下げた。古川俊太郎社長は「需要を満たせる生産ができない。半導体不足が改善する兆しはない」と語る。
 家庭用プリンターも品薄が目立つ。店頭では2万~3万円台の比較的安価な機種を中心に「入荷待ち」が続出。セイコーエプソンの担当者は「物流の制約と半導体不足の両面で影響がある」と話す。
 このほか、JVCケンウッドは主力のカーナビを大幅減産。給湯器大手ノーリツは一部商品の納期遅れで2021年12月期業績予想を下方修正した。同社は「半導体や樹脂不足など複数の要因が絡んでおり、ここまでひどい状況は前例がない」(広報担当者)と肩を落とす。
 調査会社BCNの森英二アナリストは「半導体メーカーは増産を進めているが、状況の改善には時間がかかる」と指摘している。 (C)時事通信社