原爆投下後に降った「黒い雨」を浴びた人の救済をめぐり、厚生労働省は23日、被爆者認定の新たな審査指針の骨子案を示した。雨に遭ったことに加え、がんなど特定の疾病にかかっていることを要件とした。広島県と広島市は疾病を要件から切り離すよう求めており、引き続き協議する。
 黒い雨をめぐる訴訟では、原告全員を被爆者と認めた広島高裁判決が7月に確定。菅義偉前首相が談話で、原告と同じような事情にあった人も救済する方針を示した。厚労省は2022年度当初の運用開始を目指し、新たな審査指針を広島県・市などと協議している。
 厚労省によると、原告全員の共通点を基に今回の要件を決めた。骨子案では、疾病のうち白内障については、過去に眼内レンズを埋め込む手術をしていれば、現在症状がなくとも認めるとした。原告に、手術歴を理由に被爆者と認められた人がいたためという。広島市はこの点については、「広い救済が図れる。市の訴えが考慮された」と評価した。 (C)時事通信社