国立がん研究センターは、がん診療連携拠点病院などを含む院内がん登録実施施設から収集した院内がん登録情報を用い、がんの長期予後の集計を実施している。今回、2009年診断例の10年生存率、2013〜14年診断例の5年生存率の集計結果を発表。全がんの10年相対生存率が60.2%であることを明らかにした。

10年生存率を閲覧システムで初公開

 10年生存率の報告は3回目となる。集計対象は、がん診療連携拠点病院など751施設で初回治療を行ったがん診断例のうち、全がんにおける生存状況把握割合が90%以上であった281施設・29万3,860例で、前回調査(2008年診断例)より41施設・約5万6,000例増加した。

 全がんに加え、主に上皮性のがんを対象に部位別の集計も実施。2009年10年生存率では、喉頭がん、胆囊がん、腎がん、腎盂尿管がん、甲状腺乳頭・濾胞がん、甲状腺未分化がん、甲状腺髄様がん(集計対象が30例未満のため生存率は非公表)、卵巣がんを新たに集計した。

 その結果、2009年に診断された全がんの10年実測生存率は46.2%で、10年相対生存率は60.2%だった。部位別の10年相対生存率は最も高い前立腺がんが100.0%で、乳がんは87.8%、子宮頸がんは70.5%、大腸がんは67.5%で、最も低い膵がんは6.7%だった()。

表. がん種別に見た10年相対生存率

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(がん情報サービス「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」を基に編集部作成)

 なお今回、同センターが運営するがん情報サービスの「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」が拡充され、10年生存率を検索できるようになった。

小児5年生存率およびサバイバー生存率を初めて集計

 2013〜14年の5年生存率は437施設・87万5,381例で集計された。今回初めて小児および思春期・若年成人(AYA)世代の5年生存率が集計され、0〜15歳未満の小児の血病の5年相対生存率は88.0%、脳腫瘍は74.6%だった。

 また、サバイバー生存率も初めて集計された。例えば、非小細胞肺がんの診断からの1年生存率は73.3%だが、1年サバイバーの次の1年の生存率は83.4%、2年サバイバーの次の1年の生存率は89.1%と長期生存するほど高くなった。

(安部重範)