後藤茂之厚生労働相は24日、米製薬大手メルクなどが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「モルヌピラビル」を、緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」に基づき正式に薬事承認した。同日に厚労省が薬事・食品衛生審議会の専門部会を開き、承認を了承した。軽症者向けの新型コロナ飲み薬としては国内初となる。
 自宅で服用できる治療薬の普及で、患者や医療機関の負担軽減が期待される。厚労省は、国内で市中感染が確認された変異株「オミクロン株」にも有効と判断している。政府は感染拡大に備えて26日から20万人分を全国へ配送し、最短で27日から使用できるよう態勢を整える。
 後藤厚労相は「国民が安心して暮らせるための切り札になる。わが国の新型コロナ対策を大きく前進させると確信している」と期待を示した。
 モルヌピラビルは、ウイルスの増殖を防ぐ働きをする抗ウイルス薬。メルクと米バイオ医薬品企業リッジバック・バイオセラピューティクスが共同開発した。国内では3日に承認申請されていた。
 対象は18歳以上で、重症化リスクを持つ軽症から中等症の患者。5日間にわたり1日2回投与する。発症後6日以降では有効性が確認されていないとして、速やかな服用を求めている。妊婦は使用できない。
 臨床試験(治験)では入院や死亡のリスクを30%下げる効果があった。中間結果の48%から下方修正されたが、専門部会は「有効性が否定されるものではない」と判断した。 (C)時事通信社