新型コロナウイルス感染の影響による辞退に、長雨で連日の順延―。2年ぶりに開催された全国高校野球選手権大会は智弁和歌山の3度目の優勝で幕を閉じたが、期間は史上最長の「20日間」に及んだ。
 出はなをくじかれた。8月8日に開会式のリハーサルを行い、翌9日の開幕に備えたが、台風9号の影響で10日に順延。今春の選抜大会の開会式は、感染予防で開幕日に試合のある6校だけが参加したが、今夏は49代表校の選手がマスク姿で参加し、簡略化した入場行進を行った。
 ただ、12日に明桜(秋田)―帯広農(北北海道)の試合中に雨が強くなってノーゲームになると、13、14日も雨天中止で3日連続順延に。試合の消化が進まず、遠方から来た高校は練習場所の確保に苦慮。明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督は準々決勝敗退後、「これだけ雨で延びたら、われわれは練習する所がない」とぼやいた。
 そして17日。第1試合で大阪桐蔭が東海大菅生(西東京)に降雨コールド勝ちし、2試合目以降の3試合が順延に。さらに、コロナ感染者が出た宮崎商と東北学院(宮城)が試合参加を辞退した。
 智弁和歌山は宮崎商との初戦の2回戦が不戦勝となり、結果的に4試合を勝ち上がって優勝した。6試合を戦い抜いて準優勝した智弁学園(奈良)の小坂将商監督は「6試合やって成長させてもらった」。前川右京外野手(ドラフト4位指名で阪神入団)は「コロナ禍の中、最後まで野球ができたのはとてもうれしいこと。いろんな方々のおかげでここまで来られて、感謝の気持ちでいっぱい」と振り返った。
 優勝を決めた瞬間、マウンドに駆け寄って歓喜することなく、すぐ整列に向かった智弁和歌山ナイン。主将を務めた宮坂厚希外野手は「相手チームもいる。礼に始まり、礼に終わるということで、礼を終えてから全員で喜ぼうと話をしていた」。さまざまな形で記憶に刻まれた「20日間」だった。 (C)時事通信社